「自己分析のやり方がわからない…」
「自己分析ってどうやってやるのが正解?」
このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
自己分析は就職活動の基本だと耳にする機会が多く、気にはなっているものの、実際のやり方がわからないと困ってしまいますよね。
自己分析には、大きく分けて8つのやり方が存在します。
自己分析のやり方8選
- 自分史
- マインドマップ
- モチベーショングラフ
- ジョハリの窓
- Will Can Must
- SWOT分析
- なぜなぜ分析
- 他己分析
早い段階で自己分析に着手して、就活を進めながらアップデートしていくことで、仕事選びの軸や自分自身について客観的に理解を深められるでしょう。
この記事では、自己分析の基本的なやり方やメリット・就活に活かすためのコツについて詳しく解説します。
記事内で紹介しているやり方の詳細を把握することで、自分に合った自己分析を実践でき、就活の基盤を整えられるようになりますよ。
自己分析のやり方がわからず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
自己分析のやり方8選
自己分析で自身の考え方や価値観を把握しておくことで、就活における軸を明確にできます。
自分がこれまでどのような経験をして、身についたスキルや強みが何なのかも把握できるため、志望動機や自己PRなど選考対策をスムーズに進められるでしょう。
まずは、自己分析のやり方を8つ紹介します。
自己分析のやり方8選
それぞれ何をどの視点から分析するのか、深掘りする内容が異なるため、自己分析をする目的を明確にした上で自分に合ったやり方を選んでくださいね。
①自分史

自分史とは、自身の幼少期から現在に至るまでの経験を、年表のようなフォーマットを活用して振り返る自己分析です。
以下の項目を参考に、それぞれの年代で共通の項目を思い出しながら洗い出してみましょう。
自分史で振り返る項目
- 嬉しかったこと
- つらかったこと
- 頑張ったこと
- 好きなこと
- 失敗・挫折した経験
自分史を作成すると、「なぜその行動をしてきたのか」行動の軸となる価値観や信念を把握できます。
自分の強みや長所が身についた具体的なエピソードも詳細に思い出せるので、自己PRや志望動機を準備する際に活用できるでしょう。
「選考対策につながる自己分析から始めたい」という方は、自分史の作成から始めてみてください。
②マインドマップ

マインドマップは、1つのテーマを決めて関連する物事や自分の価値観・考えを自由に書き出していくことで、自分自身を客観視する自己分析です。

思考をマップ=地図のように書き出していくため、頭の中で考えていることを可視化できます。
たとえば、「力を入れて取り組んできたこと」をメインテーマに設定し、その周りに「勉強」「部活」「アルバイト」など関連する物事を書いて派生させていきます。
その物事から連想する言葉を自由に書き出していくと、異なる経験でも共通点を見つけられるでしょう。
自分がどのような状況で力を発揮できるのか、行動を起こすきっかけとなる軸などを把握できるはずです。
③モチベーショングラフ

モチベーショングラフとは、縦軸に時間軸・横軸にモチベーションの振り幅を設定して、過去の経験や当時の感情を思い出しながら曲線グラフで振り返る自己分析のやり方です。
モチベーショングラフで感情の起伏を可視化することで、自分がどのような時にやりがいや楽しさを感じるのかを把握できます。
なるべく過去の経験を詳細に思い出しながら、当時の感情を振り返って正直にモチベーションの上がり下がりを表現するのが大切です。
モチベーショングラフは、なぜなぜ分析を活用して「どうしてその行動を起こしたのか」を深掘りすることでより自分自身への理解を深められます。
他の自己分析のやり方と併用して、モチベーショングラフの分析効果をさらに高めて就活の基盤を整える準備をしてくださいね。
④ジョハリの窓

ジョハリの窓とは、自分から見た自分と、他人から見た自分の特徴のズレを把握してより自己分析を深めるやり方を指します。
以下4つの要素に分けて、家族や友人など自分のことをよく知っている第三者に協力してもらいながら自己分析を実践しましょう。
ジョハリの窓4つの要素
- 開放の窓:自分も他人も知っている自分
- 秘密の窓:自分は知っているが他人は知らない自分
- 盲点の窓:自分は知らないが他人は知っている自分
- 未知の窓:自分も他人も知らない自分
まずは、自分が思う「自分とはどのような人間か」を書き出します。
次に、自分のことをよく知る第三者に「自分はどんな人だと思うか?それはなぜか」を聞き、それぞれの内容を4つの窓に分類していきます。
これを実践することで、第三者の意見を把握しながら自分自身の特徴や強み・弱みなどについて客観視できるようになるでしょう。
⑤Will Can Must
Will Can Mustは、「Will:やりたいこと」「Can:できること」「Must:すべきこと」の3つの視点から自己分析を深めるやり方です。
3つの視点でリストアップすべき項目を、以下に紹介します。
Will
- 自分が将来やりたいこと・なりたい社会人像
- 仕事を通じて実現したい目標
- 理想とする働き方・人生プラン
Can
- できること・得意なこと
- 強みやスキル・持っている資格
- 継続して取り組んできたこと
- 他人に胸を張って伝えられる経験(頑張ってきたこと)
Must
- Willを実現するためにすべきこと
- 企業に貢献するためにやるべきこと
まずはリストアップしやすいCanの項目から考えていき、次にWillを考えて、Canすなわち自分のスキルや強みを活かせるかを考えましょう。
CanとWillが結びつかなかったり、Willが思い浮かばなかったりする場合は、「自分ならどのようなことができるか」といった視点でWillを考えるのがおすすめです。
また、成長意欲の高い人は、必ずしもCanがWillやMustに結びつく必要はありません。

成長意欲が高ければ、今の自分にできなくても、就職してからできることもたくさんあります。
自分が働く上で何を重視するのか、優先度を明確にした上でWill Can Mustのやり方で自己分析を深めてみてください。
⑥SWOT分析
SWOT分析とは、自分の強みや弱みである内部要素と、就活市場におけるメリット・デメリットである外部要素を分析することで、自分自身を客観的に把握するやり方です。
SWOT分析とは
「S:Strength(強み)」「W:Weakness(弱み)」「O:Opportunity(機会)」「T:Threat(脅威)」の頭文字を取ったもの。

企業が経営戦略を練る際に使う分析手法でもあります。
自己分析では、以下の項目を設定して、志望する業界や企業の動向を把握しながら客観的に分析してみましょう。
SWOT分析4つの項目
- Strength(強み):仕事で活かせる自分の強み
- Weakness(弱み):今後克服すべき自分の弱み
- Opportunity(機会):強みを活かして働く機会
- Threat(脅威):想定できる脅威
以下に、SWOT分析を実践する例を紹介します。
項目 | 分析内容 |
---|---|
(S)仕事で活かせる自分の強み | コツコツと努力できる・真面目で責任感が強い |
(W)今後克服すべき自分の弱み | 何事も慎重に取り組む分、臨機応変に対応できない(柔軟性がない) |
(O)強みを活かして働く機会 | (志望する業界をIT業界と想定した場合) ITエンジニアやバックオフィス業務として任された仕事を完遂するときに ・コツコツと努力できる強み ・真面目で責任感がある強みを活かせる |
(T)想定できる脅威 | (志望する職種がITエンジニアと想定した場合) 人材不足が原因で長時間労働を強いられる現状があり、就職後はワークライフバランスに悩む可能性がある |
SWOT分析では、業界や企業の脅威についても記載しなければならないため、志望する業界・企業の研究が必須です。
企業研究と同時並行でも問題ないため、業界・企業に対する理解を深めながら、自分と志望企業のマッチ度を客観的に把握してください。
⑦なぜなぜ分析
なぜなぜ分析とは、1つのテーマから「なぜ?」を繰り返すことで自分が大切にしている信念や価値観を把握する自己分析のやり方です。
これまでの経験で楽しかったことや力を入れて取り組んだこと・つらかったことなどをテーマに決め、「なぜ?」と自分自身に問いかけてみましょう。
以下に、「つらかったこと」をメインテーマとしてなぜなぜ分析を実践した例を紹介します。
実施例 | 分析内容 |
---|---|
力を入れて取り組んだこと | 大学時代、所属していた陸上部での活動に力を入れて取り組んだ |
→それはなぜか? | 仲間と切磋琢磨しながら、互いを高め合える環境での活動が楽しかったから |
→それはなぜか? | みんなで協力しながら同じ目標を目指すことにやりがいを感じるから・陸上が好きだから |
→それはなぜか? | 1人では達成できない目標も、みんなで協力すれば達成できることがあるから |
分析結果から把握できる信念や価値観
- 成長意識の高い仲間たちとお互いを高め合えるような職場で働きたい
- 周囲の人と協力して目標を達成したい
なぜなぜ分析は、自分史やモチベーショングラフと併せて自己理解を深められるやり方でもあります。
これまで経験した出来事から、なぜ?と自分に問いかけることで、潜在的な思考を客観的に理解できるでしょう。
⑧他己分析
他己分析は、家族や友人など自分のことをよく知る第三者に、自分の強みや長所・短所などの特徴を答えてもらうことで客観的に自己理解を深める手法です。
他己分析と自己分析の結果を照らし合わせて、ずれが生じている部分は改善点として、一致している部分は強みとして説得力のある自己PRを準備できます。
他己分析の質問例を、以下に紹介します。
他己分析の質問例
- 自分と初めて会った時の第一印象
- 第一印象と今のギャップ
- 長所・短所だと思うところ
- 自分を一言で表すなら
- 自分との思い出で記憶に残っているエピソード
- 集団の中での役割
- 改善した方がいいと思うところ
- どのようなことをしている時にハツラツと輝いているか
他己分析を実践すると、自分では思いもつかないような強みや性格を発見できる場合があります。
「自分に本当にそんな強みがあるのか」と疑問に感じた際は、なぜその強みがあると思うのか、根拠となるエピソードについて深掘りしてみてください。
他己分析の協力を得た相手のエピソードに納得できれば、自分の強みとして自己PRや志望動機で活用できるでしょう。
自己分析を行う2つのメリット
自己分析をして就活に臨むことで、以下2つのメリットを享受できます。
自己分析を行うメリット
- 自分自身を客観的に理解できる
- 企業選びの軸を明確にできる
「就活って何から手をつければいいの?」と疑問を抱いている方は、ぜひ自己分析から取り組み始めてみてください。
自分自身を客観的に理解できる
自己分析で、自分の過去の経験や考え方の方向性を深く分析することで、自分自身を客観的に理解できます。
例えば、自己分析をすると、以下のように自分の特性と過去の具体的な経験を把握できるため自己PRや志望動機に活用可能です。
自己分析の結果例
- 自分の強み:継続力
- 強みが身についたエピソード:中学生〜高校生時代の野球部での経験
就活における新卒採用では、企業にどのように強みを活かせるのか・弱みを克服して成長できるのかをアピールする必要があります。
「自分のPRポイントはどこだろう…」「この強みはどの経験で身についたのだろう…」と自身への理解を深めたい方は、自己分析で就活の基盤を整えてください。
企業選びの軸を明確にできる
自己分析では、自分がこれまでどのようなきっかけで行動を起こしていたのかを把握できるため、職種や企業を選ぶ際の軸を明確にできます。
自分がどんな職種・企業に就きたいのかわからない方も、自己分析を行うことで自身にマッチする業界・企業を選択できるでしょう。
たとえば、以下のような順序で自身に向いている職種や将来構築したいキャリアについて考えることが可能です。
過程 | 分析内容 | |
---|---|---|
1 | 自己分析の結果 | 周囲の人々を統率し導くことにやりがいを感じていた (学生時代に生徒会長や運動部の部長を務めていた) |
2 | 向いている職種 | 営業職 /商品企画・開発 /コンサルタント (組織をまとめる役割を担うことで本来の力を発揮できるタイプ) |
3 | 職種から選ぶ企業 | 向いている職種のなかでも商品企画・開発職に興味がある 活躍できそうな企業は食品や機械メーカーだと推測 |
4 | 希望する企業で叶えられるキャリアプラン | 入社後は実務経験を積み、将来的にチーム長としてチームを牽引しながら企業に貢献できるキャリアを構築できる |
あくまでも一例となるため、上記例の順序以外の方法でも構いません。
企業を選ぶ際は、自己分析だけでなく業界・企業研究が欠かせないため、並行して取り組んでいきましょう。
自己分析を就活に活かすための4つのコツ
ここからは、自己分析を就活に活かすための4つのコツを紹介します。
自己分析を就活に活かすコツ
- 自分に合う自己分析のやり方を見つける
- ほかの就活準備も並行して進める
- 経験や自分の特徴は嘘偽りなくありのままを分析する
- 自分を総合的に分析する意識を持つ
これらのコツを把握した上で自己分析を実践すれば、採用選考が本格化する時期までにしっかりとした基盤を整えられます。
自分に合う自己分析のやり方を見つける
自己分析には、過去の経験を深掘りするものや、考え方の軸を深掘りするものなどさまざまな種類が存在します。
本記事の「自己分析のやり方8選」でお伝えしたやり方の中から、自分に合うやり方を選んで実践してみてください。
さまざまな自己分析手法に手を出してみてもいいですが、あとから振り返ったときに「どの分析結果を参考にすればよいのか」混乱してしまう原因につながるでしょう。

まずは、自分が深掘りしたい内容を分析できるやり方を1〜2つ選んで実践してみるのがおすすめです。
目的 | 自己分析のやり方の例 |
---|---|
これまでの経験から自分の特性を理解したい | 自分史 モチベーショングラフ |
働き方の軸を見つけたい | Will Can Mustなど |
自己分析を実施する目的を明確にすると、適切なやり方を見つけられます。
上記で紹介した例を参考に、目的に合ったやり方で自己分析に取り組んでください。
ほかの就活準備も並行して進める
自己分析だけに集中して取り組むのではなく、業界や企業研究、自己PRや志望動機の準備などほかの準備も並行して進めることも大切です。
自己分析は、取り組めば取り組むほど自身を深掘りできるため、いくらでも時間をかけられます。
しかし、自己分析だけに時間を費やしてしまい、そのほかの準備が疎かになってしまっては就活の準備を進めたい本来の目的を果たせないかもしれません。
就活の基盤を整えるには、自己分析以外にも業界や企業に対する知識を深めたり、就活イベントに参加してリアルな情報を手に入れたりする準備も大切です。

マルチタスクが苦手…1つずつ順番に進めたい…という人は、大学1〜2年生のうちに自己分析を済ませるのがベスト!
夏のインターンシップ申し込みが本格化する大学3年生の春までに基盤を整えれば、スムーズに就活を始められるでしょう。
経験や自分の特徴は嘘偽りなくありのままを分析する
自己分析で振り返る経験や自分の特性は、嘘偽りなくありのままを分析してください。
企業によく見られたい・自分をアピールしたい一心で経歴を誇張したり、嘘をついたりしたいという方もいるのではないでしょうか。
書類選考や面接で自分の経験や特性を偽って話を進めてしまうと、ほかのアピール内容と齟齬が生じてしまい、面接官に嘘がバレてしまう可能性が高まります。

仮に選考時に嘘がバレなかったとしても、選考後にアピール内容の不一致に気づかれ、最悪の場合内定を取り消される…なんてことも。
自分の特性を偽ったままでは、本来の特性とマッチしない企業に就職してしまい、入社後のミスマッチを引き起こす原因につながります。
これまでの経験や自分の特徴は、ありのままを分析する意識が大切です。
長期的なキャリアを構築するためにも、就活の基盤を整える段階で、これまでの自分を偽らないように注意してくださいね。
自分を総合的に分析する意識を持つ
自己分析では、自分を総合的に分析する意識が大切です。

自分の強みだけを深掘りするなど、自分の都合のいいように分析しても、就活には役立てられません。
採用選考では、強みや長所などの自分のメリットだけでなく、デメリットである弱みについて深掘りされる場面も多々あります。
強みだけをアピールしても、面接官には「自分の都合のいい部分にしか目を向けていない」とマイナスなイメージをもたらしてしまうでしょう。
自己分析で弱みを理解できると、今後どのように改善するべきかを考えるきっかけにつながります。

「自分にはこんな弱みがあるんだ…」と必要以上に落ち込まず、改善過程を考えて、企業に向上心も併せてアピールできる準備を進めてくださいね。
自己分析のやり方はさまざま!自分に合ったやり方で就活の基盤を整えよう
この記事では、自己分析の8つのやり方と実践する目的・コツについて詳しく解説しました。
自己分析には、過去の経験を振り返るものや自分の考え方の傾向を深掘りするものなど、さまざまな種類が存在します。
自分が深掘りしたい目的を明確にした上で、自分に合ったやり方を見つけて自己分析を進めましょう。
就活では、自己分析以外にも、業界や企業研究・選考対策など幅広い準備に取り組む必要があります。
さまざまな準備を並行して取り組めるか不安な方は、大学1〜2年生のうちに自己分析に取り組むことで、就活が本格化する大学3年生の春からスムーズな準備が可能です。
なるべく早めに自己分析に取り組んで、就活の基盤を整えてくださいね。